クローズZERO

原点ともいうべきテンプレ不良が活躍する

現実の不良、今ではその在り方を志そうとする人は意外と少ないかもしれません。憧れは憧れと、現実を直視して自分がどうするべきかを冷静に考えているだろう。それはそれでシュール過ぎて張り合いがない、などと思うかもしれないが、不良をしている生徒がいる一方で自分はあぁならないという反面教師的な役割はどこでもあるでしょう。ただクローズのように、もはや学校が機能していないまでに追い込まれているところは、さすがにないと思いたい。後者のいたるところに落書き、ガラスはすべて割られて窓などあってないもの、授業を受けられる環境など微塵も存在していない、腐敗の恩讐というべき環境は現代の教育現場で見かけることはないはずだ。

だからこそクローズの非現実的な世界観が好きだと答える人も多いのかもしれません、しかし自分がそこにいたいかと聞かれたら、恐らく大半がNOと応えるだろう。それこそEXPLODEのようにドロップアウトした人間たちにより、その学校に在籍しているという理由から不条理な暴行を受けるような事になれば、身など持つはずがない。不良をするにしても、堅実に、上手に生きようとするものだ。今時の裏社会ではそれこそまともに生きている位だ。

そんなありえない世界観で活躍しているクローズの主人公たちの破天荒さは、正直見ていたら心配になるレベルです。特に実写映画第一弾として公開された『クローズZERO』にしてもそうだ。

不良だった方は見てみてください

作品概要

クローズZEROは今から10年ほど前に公開された作品で、小栗旬さん主演で当時話題を席捲した作品になります。漫画の実写化ということで、原作ファンは相当反感を持ったと思いますが、そもそもストーリーが原作と全く違ったものだった。それというのも、クローズZEROとは『映画ならではの完全オリジナルストーリー』となっているので、原作を知らなくても誰でも気軽に見られる。EXPLODEはこのZEROから続く続編となっているので、やはり新規のファンでも入りやすい作品になっています。

今作の内容についてですが、相も変わらず暴力という嵐の中で旋風のように巻き起こす主人公の活劇が待っていた。

あらすじ

鈴蘭男子高等学校とは、その名が知られた不良の巣窟として知られる高校だ。誰もが恐れおののく恐怖の存在が何人もいる中に、何を血迷ったのか一人の転校生が現れた。その男の名は『滝谷源治』、暴力団 滝谷組の組長の息子であり、父親から組を譲ってもらうために彼は鈴蘭の頂点を目指す事を目的とする。派閥を作り上げて行こうとする中で、源治の前に立ち塞がるのは芹沢多摩雄を始めとした強敵たちが構えていた。

そんな中、源治とふとしたことがきっかけで知り合った片桐は所属している矢崎組の組長から、滝谷組の息子を始末しろと命令される。源治と熱い友情に結ばれていた片桐は、組の仁義と友との友情に悩まされる。またこれみよがしと対抗勢力を煽るように鈴蘭高校の各勢力を利用するように、かつてない闘争が巻き起ころうとしていた。

頂点を目指す源治、彼の前に立ち塞がる多摩雄、そして学園で最強と名指しされるリンダマンこと林田恵などを相手に、源治の挑戦が始まっていく。

完全オリジナルストーリーの訳

今作の特徴は原作にはない、完全オリジナルストーリーとなっているのが一番の特徴と言えます。通常なら原作を再現しようとするものですが、それに難色を示し続けていたのが、ほかでもない原作者だったのです。ぜひとも実写化しようというオファーはいくつもあったようだが、そのすべてを今の今まで断り続けていたのだ。理由は定かではない、しかし実写化すればその作品が大きくフィーチャーされてしまいます。

映画でも原作に準拠しないのであれば、原作を知らない人でも気軽に鑑賞することが出来る。そういう意味では見やすいものの、原作者が利権を優先せずに作品の世界観を守り続けたことが、今作の成功にも繋がったといえます。

難色を示した理由は定かではないが

ここで気になるのが、どうして原作者である高橋ツトム先生が実写映画にすることを断り続けていたという点についてが気になるところだ。様々な利権が入り交じるといえど、原作者であれば作品の知名度を知ってもらえるのならやってもらうに越したことはない。成功するかどうかはともかくとしても、何かしら譲れないものがあったのかもしれません。

その結果が、オリジナルストーリーによるものならばいいという判断が下された。

たのしいヤンキー

逆に功を奏した

しかし言ってしまえば、原作の話とまるで違うとなればそれだけで持ち味もまた変わってくる。ネームブランドはあれど、作品の世界観はそのままだが登場人物は、原作と全く違うとなれば見方も変わってきます。逆に実写映画が成功した理由が、オリジナル作品だったからではないかと筆者は考えている。

事実として、今作では興行収入25億円という大ヒットを記録している点を鑑みれば、オリジナルストーリーながら上出来だと思えるからだ。逆に役者にしても漫画のキャラを意識しないで良いという点もあって、役をありのままに演じられるのもいいところだったのではないか。