小栗旬と山田孝之のタッグ

ヒット理由には

今作のヒットは原作ファンが敵に回る、という以前の話になる。最近何かと起こっている実写映画化問題、漫画を実写にするなんて無理があると批判が飛び交うのは日常茶飯事だ。最近だと『鋼の錬金術師』がジャニーズアイドルを主演に迎えて実写化するというニュースが発表されて、さすがにこれは筆者も難色を示した。そもそも登場人物は全員日本人ではない時点で、日本人が外国人キャラになりきるなど、三文芝居もいいところと思ってしまいます。そう考えれば、クローズZEROの完全オリジナルという設定は作品に強みを増したといえます。

原作ファンからのアンチ的な活動が起こるどころか、逆に実写のオリジナル作品となればどんな展開になるのか、むしろ興味津々だっただろう。事実として話題性は特に高かったと言える、先生の下した決断である『完全オリジナルストーリーなら実写化OK』という条件が功を奏したようです。

単純に見て面白い、というのもありますが、それ以上に今作の話題になったのは出演している俳優陣にあるといえるでしょう。主演はもちろん、敵対する勢力の生徒役には今でも第一線で活躍している役者さんが多くキャスティングされているので、見たさで観たいと思った人も多いはずだ。映画は役者で決まりますが、今作ではそれらが上手に機能していい具合に作品の盛り上げに貢献したようです。

不良だった方は見てみてください

主な役柄として

では今作クローズZEROに出演している役者と、演じているキャラクターで主要人物にピックアップして紹介していこう。

小栗旬 - 滝谷源治

まずは主演の小栗旬さんが演じる『滝谷源治』だ。鈴蘭に転校してきて、将来は暴力団の組長になるための足がかりとしてステップアップがてらにやってくる最凶のキャラクターを小栗さんが熱演している。リアルに不良だったのかどうか、そういう問題は置いておくとしてもだ。迫力を演じさせればこれでもかと気迫迫る演技に息を呑む人が多かっただろう。それだけ存在感が強いながらも、最初は予想以上に強い人間がいる中でも、がむしゃらに自身の派閥を作り上げて成長させていきます。

最終的に強敵と罵られ、鈴蘭の最も頂点に近い場所に位置しているとされる芹沢多摩雄との勝負に打ち勝つ事が出来たが、彼を倒してもまた源治の戦いは続いていく。最強になるため、鈴蘭の頂点に至るために邁進する源治を熱演する小栗旬さんは見ものだ。

山田孝之 - 芹沢多摩雄

そんな小栗旬さんの敵役として登場するのが、源治がやってくる前の鈴蘭で最大勢力である芹沢軍団の頭を勤めている『芹沢多摩雄』を熱演している。山田孝之さんは生涯、喧嘩を一度もしたことがない健全優良な市民として生きてきたと豪語していますが、作中ではとにかくバケモノ並みに強い芹沢という人間を事も無げに演じきっている。それこそ喧嘩常勝、向かってくる敵は相手にならず、道を歩けば自然と左右に人が別れるといった、そんな武勇伝があるかのようなオーラを劇中では放っていた。

こんな人が目の前から歩いていたら、絡まれたくないから道を変えるよね的なくらいに圧倒感を持っている。演者として高く評価されている山田孝之さんだからこそ出来たと言える、本当に凄い。ラストの源治とのバトルでも結果的に敗北してしまうが、それでもいまだに最強に近いところには居続けている。

深水元基 - 林田恵

源治に多摩雄と、喧嘩させたら誰も向かうところ敵なしと言わんばかりの凶暴性を持っている2人より、更にその上を行く怪物がいるという。それこそ深水元基さん演じる、ZEROシリーズにおいて鈴蘭高校の中で史上最強と呼び声も高い『林田恵』を熱演していた。劇中では通称『リンダマン』と呼ばれることもあるが、それは名前負けするようなことはない。かつては多摩雄との一騎打ちを行った際には、完膚なきまでに彼を負かしてしまったという。鈴蘭高校の頂点に近いと言われた多摩雄に対して、本気を出せば確実に玉取りが出来るだろうと言われるほどに。

ただ本人は頂点争いに興味を持たず、傍観者として学校生活を穏やかに過ごしていた。ラストでは多摩雄に辛くも勝利した源治が戦いを申し込んでくるが、ダメージをまともに受けることもなく、子供を弄ぶように源治をねじ伏せて勝利する。

たのしいヤンキー

この3人がすべての鍵

源治が鈴蘭高校という不良の巣窟で頂点を目指す話になりますが、転入したての身分だった源治に見方は当然いなかった。それはEXPLODEの鏑木もそうですが、彼と違って明確に目的を持ってわざわざ鈴蘭に来た時点で、相当な覚悟と同時に甘く見ていたという節も垣間見える。

対して多摩雄は軍団のリーダーとしてでなく、例え軍団を裏切ろうとなんだろうとしても何もかもを寛容に許してしまえるほどの器量を持ち合わせていた。それこそ、異名の『百獣の王』と呼ばれるほどものであり、戦いで見せる獰猛な牙がわからないほどの懐の深さが分かる。余談だが、多摩雄本人はヤンキーだと自分では思っていないというから、それは違うだろうと突っ込みたくなる。